"The most successful parasite in human history" — Paul Ewald, 進化生物学者
| 種 | 危険度 | 発熱周期 | 特徴 | 分布 |
|---|---|---|---|---|
| P. falciparum | 最高(致死率1–5%) | 48時間(熱帯熱) | 脳性マラリア・臓器不全・重症化リスク最大 | サハラ以南アフリカ、熱帯全域 |
| P. vivax | 中(休眠体あり) | 48時間(三日熱) | 肝臓に休眠体(hypnozoite)→ 数か月〜数年後に再燃 | 中南米・アジア・一部アフリカ |
| P. malariae | 低〜中 | 72時間(四日熱) | 慢性化・ネフローゼ症候群。数十年潜伏も | 熱帯・亜熱帯(広域) |
| P. ovale | 低 | 48時間(卵形熱) | P. vivax に類似。休眠体あり。重症化稀 | 西アフリカ・太平洋諸島 |
マラリア原虫は肝臓・赤血球・脳血管という3段階の戦場で異なる戦術を使う。
蚊の刺咬から10〜30分以内に、スポロゾイトが肝細胞に侵入する。
P. vivax と P. ovale は「休眠体(hypnozoite)」を肝臓に残す。数か月〜数年後に再活性化して再燃マラリアを起こす。
P. falciparum の赤血球内サイクルが発熱の直接原因。
P. falciparum は3つの主要メカニズムで免疫系を翻弄する。
アフリカで頻繁に曝露される人々は「部分的免疫」を獲得するが、重症化リスクは消えない。成人でも感染する。
未治療の脳性マラリアは致死率ほぼ100%。治療しても15〜25%。
生存者の20〜25%に神経学的後遺症(認知障害・てんかん・行動障害)が残る。
マラリアの歴史的犠牲者は「数百億人」と推定される研究もある(Carter & Mendis, 2002)。人類全史で最大の感染症キラーとも言われる。
毒物3件 + 疫病2件を共通の5軸で比較。マラリアをハイライト表示。
| マラリア Plasmodium |
ヒ素 As₂O₃ |
ペスト Y. pestis |
鉛 Pb |
天然痘 Variola |
|
|---|---|---|---|---|---|
| カテゴリ | 疫病(寄生原虫) | 毒物 | 疫病 | 毒物 | 疫病 |
| 推定犠牲者 | 数百億人史上最大級 | 数百万人 | 7500万〜2億人 | 数千万人 | 3〜5億人(20C) |
| 致死性 | CFR 1–5%(脳性は15–25%) | LD50 14.6 mg/kg | 致死率 30–90% | 慢性蓄積 | 致死率 30% |
| 機序 | 肝臓・RBC・脳 3段階寄生 |
PDH阻害 +ROS+ヒ酸 |
免疫回避 内毒素ショック |
酵素阻害 神経毒性 |
免疫破壊 全身炎症 |
| 転機 | 屠呦呦 1972(アルテミシニン) |
マーシュ 1836 |
北里/イェルサン 1894 |
パターソン 1965 |
ジェンナー 1796 |
| 現代の転用 | 古代文書→ ノーベル賞創薬 |
白血病治療薬 | 抗生物質治療 | バッテリー | 根絶(1980) |
| 歴史的インパクト | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 機序の複雑さ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 科学への貢献 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 物語性 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 現代の意外性 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 合計 | 24/25 | 24/25 | 21/25 | 20/25 | 22/25 |